2025年日本大阪・関西万博
令和4年11月15日
http://www.kookje.co.kr/news2011/asp/newsbody.asp?code=1700&key=20221115.22021002139
日本の夢洲(ゆめしま)は大阪市の最西端に位置する人工島である。汝矣島の半分程度のこの島で2025年4月から6か月間にわたり「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が開催される。著者は釜山に赴任する直前、日本国際博覧会協会の事務局で万博の予定地を見ることができた。
国際博覧会は国際博覧会条約に基づき開催される国際的なイベントであり、地球規模の様々な課題に取り組むために世界各地から英知が集まる場だ。国際博覧会は5年に1度開催される登録博覧会と5年の合間に開催される認定博覧会に分けられる。大阪・関西万博は登録博覧会に当たり、釜山が現在立候補している2030年の博覧も登録博覧会である。登録博覧会が最長6か月の開催期間が認められるのに対して、認定博覧会の開催期間は長くても3か月であり、登録博覧会に比べ様々な制約がある。日本では、1970年の大阪万博が登録博覧会の前身である一般博覧会として開催され、2005年の愛知万博も登録博覧会として開かれた。
大阪万博(EXPO´70)は、日本そしてアジアで初めての国際博覧会であり、高度成長過程にあった日本をシンボライズする国家的一大事業であった。大阪市の千里丘陵に設けられた330ヘクタールの会場には開催期間中6421万人が入場した。これに比べると55年振りに大阪で再び開催される国際博はコンパクトである。会場面積は155ヘクタールと大阪万博(EXPO´70)の半分以下であり、想定入場者数も約2800万人と控えめである。
しかしながら、大阪・関西万博は世界150カ国と25の国際機関が参加し、持続可能な開発目標(SDGs)達成等の未来社会を実現するという目的が設定されている。
国際博覧会の開催地選定の過程は、開催を希望する国家が国際博覧会事務局 (BIE)に対する開催希望通告から始まる。立候補が全て終われば、BIE総会で各候補地に関する要旨が報告され、その次の総会で開催地を決定する投票を行う。2025年大阪・関西万博の決定は2018年11月のBIE総会で行われた。
大阪・関西万博の決定までには、立候補(2017年4月)から1年半以上の期間があった。立候補国はその期間を使って開催地誘致のために加盟国への働きかけを行うことになる。日本を離れる前に誘致活動を担った方々に会ったが、世界各地においてその地域に精通し豊富な経験と人脈を有する民間企業の社員と日本の大使館・総領事館の実務者が密接に連携し、あらゆる機会を活用し加盟国に対して地道な誘致活動を行ったとのことである。こうした誘致活動では従前より築いてきた対象国からの信頼と協力関係が力を発揮する。また、開催地域のみならず万博に対する全国的な機運の盛り上がりが感じられ、誘致に関して一致団結している姿勢を示すことが大変重要だと強調していた。
現在、大阪・関西万博開催までは残り900日を切った。去る7月18日には大阪のみならず東京においても1000日前カウントダウン記念イベントが開催された。このイベントには岸田総理が出席し、公式キャラクターである「ミャクミャク」の愛称発表や東京スカイツリーでの点灯式などが行われた。
著者が見た夢洲の予定地はさら地であったが、来年には参加国等に対するパビリオン敷地の引き渡しが行われ、本格的な会場建設が開始される。建設物の中で圧巻は「リング」と呼ばれる木造建築であり、これが大阪・関西万博のシンボルでもある。円周約2キロメートル、直径約615メートル、高さ12メートル、幅30メートルのリング(円形の開放路)は、世界最大級の木造建築物だ。空飛ぶ車やカーボン・ニュートラルな次世代モビリティ、自動翻訳による対話と交流、人と共存するロボット、バーチャル万博を始め、IoT(Internet of Things)、AI、5Gといった最先端の技術を活用した情報社会を超越した人間中心の未来社会を2025年に体験することができる。
筆者の事務所からは、釜山港・北港を眺めている。2030万博の開催地決定までの約1年間、釜山市民が中心になり、全国的に熱気を作り上げていく姿を期待している。
大塚剛・在釜山日本国総領事