コロナも阻むことはできない、韓国と日本、若い人々の出会い

令和4年10月24日
https://www.busan.kr.emb-japan.go.jp/img/b.gif<記事原文>
   
http://www.civicnews.com/news/articleView.html?idxno=30584

 日韓文化交流基金オンライン訪日団で毎週土曜日両国の青年100名が会う
 釜山韓日文化交流協会も韓日高校生交流プログラム等をオンラインで開催
 コロナ時代に若い人々の情熱と希望がオンラインで新しい未来に明かりを灯す


 中国武漢で新型コロナウイルスが発生して1年が経った。全世界でこれまで7000万人が感染し,死亡者は160万人を超えた。私たちはパンデミックの恐ろしさを,身をもって経験した。自由な人の往来と物流が世界に冨と繁栄をもたらしたが,コロナはグローバル化の波にのり,またたくまに世界中に拡散した。

 顧みれば,2010年,韓国と日本は2国間の航空協定を改正し,航空市場の自由化に踏み出した。これを契機に日韓の航空路便は倍増。仁川国際空港と日本の地方都市を結ぶ多くの路線が新設され,日本の地域にとってソウルはもっとも身近な外国の都市になった。自由化により競争が進み,さらにLCC(低コスト・キャリアー)の参入もあって,航空運賃は以前とは比較にならないほど安価になった。この潮流にのり,2018年日韓間の人的往来は1000万人を突破した。
本年,日韓間の人的往来は前年に比べ99.9%の減少。こうした壊滅的な影響は国際間の移動だけでなく,国内旅行,繁華街への外出にまで及んだ。しかし韓国と日本の若者による交流に対する希望は消えていない。往来ができず直接会えないのであれば,せめてオンラインで交流したい。若者たちの希望を受けてオンラインを通じた新たな試みが行われている。

 日本の公益法人である日韓文化交流基金は,8月末から5週間にわたって「日韓交流オンライン訪日団」を企画・実施した。毎週土曜日,韓国人79名と日本人34名が参加した初めての本格的なオンライン交流は日本のマスコミでも話題となった。釜山でもオンライン交流が進んでいる。釜山韓日文化交流協会は,従来から行ってきた「韓日高校生交流プログラム」や「高校生日本語スピーチ大会」をオンラインにて開催している。コロナ禍の下,日韓両国でオンラインを使った様々な形での交流がはじまった。

 オンライン交流は対面式交流の単なる代替ではない。オンライン交流にはオンラインでしかできない利点がある。交流のために実際に現地を訪問するとなれば,長期の日程が必要となる。多くの方々が参加するのであれば日程調整だけでも一苦労だ。しかしオンラインであれば,調整が容易になる。例えば,上述の「日韓交流オンライン訪日団」のように曜日を決めて交流を行うことも,遠隔地からの参加もできる。物理的に訪問が難しい地域や施設へのヴァーチャル訪問も可能であり,技術的な限界はあるが数百人規模での交流もできる。現在,こうした利点に着目し,新たな形態の交流が試されている。

 早晩人類はコロナを克服する。国際的な人の往来が回復し,多くの航空便が再開し人の交流も復活するでしょう。ただし,その後の交流は今までとは異なる。オンラインで対話を重ね,直接対面し友情を深め,別れた後でも遠隔地からオンラインで交流を持続する。オンラインにより拡充された新たな形態の交流が本格的にはじまる。

 コロナによる被害は莫大です。この犠牲と教訓は無駄にはできない。オンラインを活用した交流により,国際交流は新しい時代の門を開く。これはコロナを克服する若者たちの希望の力です。