東京オリンピック、世界人とともにコロナ・パンデミックを克服する平和の祭典を祈念する
令和4年10月24日
<記事原文>
http://www.civicnews.com/news/articleView.html?idxno=32197
東京でオリンピックが開催される。
今から62年前,日本の小学校の教科書には「五輪の旗」と題する文章が掲載されて いた。冒頭の書き出しは,「オリンピック,オリンピック。こう聞いただけでも,わた したちの心はおどります」だ。1964年東京でオリンピックが開催された際,1才た らずだったので当時の記憶はない。しかし,はじめてのオリンピック主催に心おどらせ た気持ちは分かる。
オリンピックに心おどらせるのは万国共通である。1988年私はソウル・オリンピ ック開幕式の現場にいた。世界中の観衆が見つめる中,メインスタジアムのフィールド に8才の少年が自転車のリムを転がしながら登場した。オリンビック開幕の瞬間。その 感動はいまでも忘れない。韓国全土がわきたち,心はおどっていた。
「五輪の旗」では以下の文章が続く。「全世界から,スポーツの選手が,それぞれの 国旗をかざして集まるのです。すべての選手が,同じ規則に従い,同じ条件のもとに, 力を競うのです。遠くはなれた国の人々が,勝利を争いながら,なかよく親しみ合うの です。オリンピックこそは,まことに,世界最大の平和の祭典ということができるでし ょう。」人々の心をおどらせ,心をつなぐのはスポーツの力である。古代オリンピック は戦争さえ中断させた。スポーツで五大陸の人々の心をひとつにするのがオリンビック だ。五つの輪は五大陸をつなぐ平和の象徴である。
80年のモスクワ大会,84年のロス大会は片肺大会となったが,88年のソウル・ オリンピックは名実ともに世界最大の平和の祭典だった。東西を問わず「世界はソウル へ,ソウルは世界へ」につながった。そして韓国の本格的な国際舞台へのデビューでも あった。30年後の平昌も同様だ。朝鮮半島が緊張する中,冬季オリンピックの開幕式 には北朝鮮代表団の姿があった。平昌オリンピックは対話の契機となり,その後の南北 ・米朝首脳会談につながった。世の中にはスポーツにしか果たせない役割がある。
新型コロナ・ウイルスは世界的なパンデミックとなり,尊い人命を奪い,人々を苦し め,人と人のつながりを寸断している。先日ある大学生に会った。彼は今年3月に卒業 予定であったが,留年し大学に留まった。学業不振が原因ではない。希望に満ちた学生 生活が感染症のために失われた。失った学生生活を取り戻すために留年したそうである。 このまま卒業したのでは後に悔いが残ると判断したのだろう。
2度目の東京オリンピックは1年延期され,競技場は大半が無観客となったが,23 日開幕する。各国の代表選手はこの日のためにすべてをかけて努力してきた。すべての 選手が,同じ規則に従い,同じ条件のもとに,力を競うことを,人々は心待ちにしてき た。観客席は空席でも,開催期間中,競技を通じて世界中の視聴者と選手はひとつにな る。17ヶ月にわたり,人々の交流,活動を妨げてきた新型コロナ・ウイルスを乗り越 えての開催。スポーツによる全世界の人々の再結合には心おどらざるをえない。
結合はこれだけに留まらない。今回のオリンピックは平昌,東京,北京と続く東アジ アの隣国によるリレー開催である。もちろん日中韓3国が連続してオリンピックを開催 するのは初めてである。一連のオリンピック開催は,パンデミックに対する3国の不屈 の姿勢を全世界に発信する。
世界最大のスポーツの祭典,心をひとつにつなぐ平和の祭典の開幕を祝福したい。 オリンピック,万歳。
http://www.civicnews.com/news/articleView.html?idxno=32197
東京でオリンピックが開催される。
今から62年前,日本の小学校の教科書には「五輪の旗」と題する文章が掲載されて いた。冒頭の書き出しは,「オリンピック,オリンピック。こう聞いただけでも,わた したちの心はおどります」だ。1964年東京でオリンピックが開催された際,1才た らずだったので当時の記憶はない。しかし,はじめてのオリンピック主催に心おどらせ た気持ちは分かる。
オリンピックに心おどらせるのは万国共通である。1988年私はソウル・オリンピ ック開幕式の現場にいた。世界中の観衆が見つめる中,メインスタジアムのフィールド に8才の少年が自転車のリムを転がしながら登場した。オリンビック開幕の瞬間。その 感動はいまでも忘れない。韓国全土がわきたち,心はおどっていた。
「五輪の旗」では以下の文章が続く。「全世界から,スポーツの選手が,それぞれの 国旗をかざして集まるのです。すべての選手が,同じ規則に従い,同じ条件のもとに, 力を競うのです。遠くはなれた国の人々が,勝利を争いながら,なかよく親しみ合うの です。オリンピックこそは,まことに,世界最大の平和の祭典ということができるでし ょう。」人々の心をおどらせ,心をつなぐのはスポーツの力である。古代オリンピック は戦争さえ中断させた。スポーツで五大陸の人々の心をひとつにするのがオリンビック だ。五つの輪は五大陸をつなぐ平和の象徴である。
80年のモスクワ大会,84年のロス大会は片肺大会となったが,88年のソウル・ オリンピックは名実ともに世界最大の平和の祭典だった。東西を問わず「世界はソウル へ,ソウルは世界へ」につながった。そして韓国の本格的な国際舞台へのデビューでも あった。30年後の平昌も同様だ。朝鮮半島が緊張する中,冬季オリンピックの開幕式 には北朝鮮代表団の姿があった。平昌オリンピックは対話の契機となり,その後の南北 ・米朝首脳会談につながった。世の中にはスポーツにしか果たせない役割がある。
新型コロナ・ウイルスは世界的なパンデミックとなり,尊い人命を奪い,人々を苦し め,人と人のつながりを寸断している。先日ある大学生に会った。彼は今年3月に卒業 予定であったが,留年し大学に留まった。学業不振が原因ではない。希望に満ちた学生 生活が感染症のために失われた。失った学生生活を取り戻すために留年したそうである。 このまま卒業したのでは後に悔いが残ると判断したのだろう。
2度目の東京オリンピックは1年延期され,競技場は大半が無観客となったが,23 日開幕する。各国の代表選手はこの日のためにすべてをかけて努力してきた。すべての 選手が,同じ規則に従い,同じ条件のもとに,力を競うことを,人々は心待ちにしてき た。観客席は空席でも,開催期間中,競技を通じて世界中の視聴者と選手はひとつにな る。17ヶ月にわたり,人々の交流,活動を妨げてきた新型コロナ・ウイルスを乗り越 えての開催。スポーツによる全世界の人々の再結合には心おどらざるをえない。
結合はこれだけに留まらない。今回のオリンピックは平昌,東京,北京と続く東アジ アの隣国によるリレー開催である。もちろん日中韓3国が連続してオリンピックを開催 するのは初めてである。一連のオリンピック開催は,パンデミックに対する3国の不屈 の姿勢を全世界に発信する。
世界最大のスポーツの祭典,心をひとつにつなぐ平和の祭典の開幕を祝福したい。 オリンピック,万歳。